講習会 「箏と唱歌による伝統に根ざした学びをめざして Ⅰ 《さくらさくら》《六段の調》~弾くことで聴き方が変わる―唱歌を用いた表現と鑑賞の往還―】」
2月13日(土)、講習会が東京藝術大学音楽学部にて行われました。70名を越える方々にご来場いただき、大変充実した会となりました。
第一部のワークショップでは、東京芸術大学音楽学部邦楽科の助手・大学院生にご協力いただき、《さくらさくら》《六段の調》の実技講習と、《六段の調》《手事》《砧三章》の鑑賞会を行いました。ワークショップを通して、参加者の方には唱歌を歌う・箏を演奏する・鑑賞することを体験していただきました。参加者の方からは「唱歌にふれることで、ちょっとした「間」のちがいも体感できることが理解できた。」「実際に唱歌を歌ってから弾いたり鑑賞したりすると、聴こえ方が本当に変わった。楽譜や理屈では伝わらないニュアンスが唱歌で伝わることがとてもよくわかった。」というような感想をいただきました。
第二部のパネルディスカッションでは、学校教育における日本音楽指導のポイントについて討論しました。実演家養成・大学の教員養成・現職教員のそれぞれの立場から、唱歌をいかした指導をどのように行なっているか報告がありました。伝承の場で使われてきた唱歌と、音楽を単に言葉におきかえたオノマトペとの違いは何かというような議論もなされ、唱歌の捉え方も立場により様々であることが浮かび上がりました。参加者からは「唱歌と演奏のつながり、又、その重要性を感じた。」「唱歌自体が時と共に変わっていく流動的なものでありながら、規則があることの難しさを知った。」というような声がありました。ご参加くださった皆さま、どうもありがとうございました。